舌小帯短縮症の厚生労働省で認められている舌小帯形成術(伸展術)とは

舌小帯短縮症

目次

舌小帯形成術(伸展術)

歯医者が行うレーザー切開や小児科医が行うハサミで切りっぱなしにする処置は、ただ舌小帯を切るとダイヤモンド型に傷口が広がり、その下のオトガイ舌筋が露出する。

縫合しないのでそのまま傷口は開いたまま瘢痕と癒着する。(癒着は今までくっついていなかった組織が炎症や手術でくっつくことで、この場合は舌小帯とオトガイ舌筋が癒着する。)

1980年代に小児科医の行うハサミで切りっぱなしは、昔産婆さんが無麻酔でハサミで切りっぱなしのパクリで、癒着するため中止になった。

当時の厚生省(現:厚生労働省)が舌小帯異常という病名、口腔外科の舌小帯形成術(伸展術)を保険診療に導入した。(レザー切開やハサミで切りっぱは保険外診療。)

舌小帯形成術

1.舌に表面麻酔をする。(注射針が痛くないようにする。)

2.局所麻酔をする。

3.コッヘルで舌先を引っ張り挙げる。(舌先に糸を通して引っ張り挙げる。)

4.舌小帯の真ん中付近にハサミを入れる。

5.傷口は上下に裂けて、ダイヤモンド型になる。

6. ダイヤモンド型というより紡錘型で、舌の根元の方が傷口は広がっている。

7. 縫合する際に気を付けるのは、舌の粘膜だけに針を通すこと。(直下のオトガイ舌筋まで縫合すると癒着の原因になる。

8. 真ん中を縫合したら、舌先に向かって縫合する。

9. 舌の根元は舌下小丘があるため縫合は控える。

舌小帯形成術の利点

舌を上に伸ばして、それ以上舌小帯が伸びない状態にして切ると、更に舌は上に伸びます。

その状態で、切った舌小帯の縁をもう少し切るともう一段階伸びて、引っ張っている舌はそれ以上伸びなくなります。

その状態で縫合すれば、舌は最大限に伸びた状態になり、舌小帯短縮症は治ります。

舌小帯形成術の欠点

舌小帯形成術では舌を最大限に伸ばした状態で行っていますが、普段は舌が縮んだ状態に戻ります。

手術後に舌を引っ張るトレーニングが必要になる。

その結果癒着する場合もある。

その他に、縫合する際に唾液腺も縫合するため、ブランディンヌーン嚢胞を作る場合もあります。

後、生後6か月で下顎乳前歯が生えている場合に乳前歯の切端のギザギザが傷口を触り、口内炎になりリガフェーデ病と呼ばれる。

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