舌小帯手術の注意

目次

舌小帯手術の注意(手術1か月前に一度来院してください。手術を理解されていないと困るため)

赤ちゃんの舌小帯手術前にしておくこと

1.手術後に母乳やミルクが飲めなくなる場合があるため、スポイトで搾乳した母乳やミルクを舌の上に流し込むように練習してください。(薬も飲むため)

2.哺乳瓶の乳首の穴を箸で大きくして、搾乳した母乳やミルクを飲めるようにしておいてください。

3.赤ちゃんの手術後のリハビリは、母乳やミルクを飲むことが中心ですが、口呼吸防止に“おしゃぶり”を常にするようにしてもらっています。(哺乳時以外はずっと)

4.手術前2時間前に授乳しておくこと。

5.手術前1週間前に風邪をひかせないこと。

赤ちゃんの舌小帯手術後に注意すること

1.必ず傷口の止血を確認してからお帰りになっていただきます。

2.麻酔は術後30分ぐらい効いていますが、待合室か車で授乳できればしてください。授乳後に鎮痛薬(カロナールシロップ)をスプーンかスポイトで飲ませてください。(カロナールシロップを飲んでアレルギーや下痢があった場合は中止してください。)

3.稀に、局所麻酔で血管が収縮していますが、術後30分で元に戻り一過性の出血がある場合がありますが心配することはありません。

4.指で傷口を触らせないでください。万が一、傷口を広げて出血してきた場合はすぐにご連絡下さい縫合します。現在舌小帯手術は切らずに裂いていますので余程のことが無ければ出血しません。(ミトンをご用意ください)

5.もし夕方まで授乳できずに脱水症状を起こしている場合は、夜10時まで救急医療センターに小児科医がいますのでかかって点滴を受けてください。(殆どありませんが。)

6.縫合した糸が取れたり緩みますが、一晩だけ持てば大丈夫です。

7.溶ける糸は溶けるまで1か月ぐらいかかる場合もあります。

8.生後6か月過ぎぐらいで下顎の乳歯が生えている場合は、舌に麻酔が効いているため咬傷になり、口内炎になります。必ず手術後におしゃぶりをしてください。

乳幼児・小学生の舌小帯手術での注意

乳幼児・小学生の舌小帯手術前にしておくこと

1.乳幼児(生後6か月~3歳)までは必ず“おしゃぶり”を良くさせておくこと。(リハビリはおしゃぶりしかないため)おしゃぶりができなくてムーシールドを希望される方は既製品で大きいのでご理解の上ご使用してください。(舌がムーシールドの中に入らなければ使用できません。)

2.幼児・小学生(反対咬合)のリハビリにその他ムーシールドが必要なので術前に当医院で購入しておいてください。

3.マグカップなどでストローで飲む練習をしておく。

4.乳幼児はスポイト飲みも必要です。

5.手術1週間前に風邪をひいた場合は、翌月にしてください。

6.手術前日、当日はあまり遠出はしないでください。

乳幼児・小学生の舌小帯手術後に注意すること

1.手術後麻酔が30分効いていますので、その間舌が麻痺しているため面白がって舌を噛んでいます。防止するためおしゃぶりやムーシルドを口の中に入れておいてください。術後30分後に局所麻酔で収縮していた血管が元に戻る際に微量の出血がありますが、気にするほどではありません。傷口に指で触らせないでください。現在は舌小帯を裂いているため、触っても出血は無いはずですが、強い力でやった場合は出血します。その場合はすぐに連絡してください。縫合します。

2.食事はお昼にいつも通り食べさせてください。もし食べれない時はプリンやゼリーでもいいですから食べられるものは食べさせてください。

3.スポイトで搾乳した母乳やミルクをあげてください。(哺乳瓶で飲めない場合があります。)マグカップで水分は良く取るようにしてください。(脱水症状になると困ります。)

4.ご飯ものでなく、ハンバーガー系のものがいいようです。

5.手術後はやはり遠出はしないで、夕方までイオンタウンなどに居ても構いません。

5.もし脱水症状を起こした場合は、救急医療センターで点滴を受けてください。

(前日まで熱のあったお子さんでありました)

大人の場合

手術前の注意

1.手術1か月前に来院して診察を受けて、アヴェオTSDを購入して手術日まで装着して寝るようにしてください。(手術直後の舌の沈下による窒息防止のため)

2.よくこのHPを読んで舌小帯のことを熟知してください。

手術後の注意

1.大人の場合は舌小帯を裂くと舌下部まで裂けます。そのため舌下小丘(唾液の出る膨らみ)前で縫合は止めます。大人は赤ちゃんと違って舌小帯が固いために裂けて割れます。その部分を縫合します。舌小帯を縫合しているので癒着はありません。この場合は1週間後に抜糸に来てください。

2.手術後に舌が沈下しやすい人は必ずすぐにアヴェオTSDを装着してください。これを寝ている時も使用してください。毎日お願いします。1か月ぐらいです。

3.麻酔が30分程で切れますので、血管の収縮が弛緩に変わるため微量の出血がある場合がありますが、殆どありません。出血がだらだら出るのはワーファリンなどの血液製剤を飲んでいる場合が多いので、舌小帯の手術はできません。万が一出血が続く場合は縫合しますので、ご連絡ください。

4.とにかくHPの内容を熟知して、質問があればメールにて受け付けています。舌小帯手術の知識が何も無い状態で行われるのは大変危険です。